決勝トーナメントへと進出したワニノコたちのセント学校。だが、大会が危険なことになっていることを知るのだった。
ついに、決勝トーナメントが開催された。
決勝トーナメントといえども、まだ、四十校も残っており、決勝とは思えない数だった。だが、この校数で、決勝トーナメントは開催された。
ワニノコたちのセント学校は、予選リーグで戦った会場で決勝トーナメントが行われた。
決勝トーナメントは、残りの校数が十六校となった時、開会式を行った会場でバトルをすることとなっていた。
そのため、まだ、予選会場で決勝トーナメントを行うのだ。
セント学校は、決勝トーナメントをゆうゆうと勝ち抜いていった。
それもそのはず、セント学校は、名高いブレイジング学校を倒したため、それほど強い学校とは当たらなかったのだ。
そして、そうしているうちに、ベスト十六が決定したのだ。
「あんまり強くないな……」
ベスト十六入りを果たしたワニノコは言った。
「仕方ないだろ。おれたちは強い学校として見られ、相手が弱いところに入ったんだからな」
「逆に言えば優勝するには有利ということだけどね」
「でも、先輩方としてはあまり面白くないんじゃないですか?」
「いや、ぼくは、優勝することができたらいいと思っている。相手の強弱は気にしていないよ」
「おれもライチュウとほぼ同じ考えだが、やはり、強弱は少しぐらいあるといいとは思う」
「先輩方にとっては最後だから優勝できればいいってことか」
「そういうことだな」
「ところで今日はもう終わりだな。これから、どうする?」
「どうするってどういうことですか?」
「いや、練習するかしないかってことさ」
「俺たちはいろいろと用事があるのでいいです」
「え? 用事って何さワニノコ?」
「気にすんなって」
「?」
「じゃあ、おれたちは、近くの練習場で練習してるから気が向いたらこいよ」
「はい」
ワニノコたちはホテルに戻り、ライチュウたちは会場近くにある練習場へと向かった。
ホテルに戻ってきたワニノコたちは自分達の部屋に入り、最初にワニノコが口を開いた。
「さあ、調べるとするか」
「ねえ、一体何を調べるの? それに用って何?」
「ヒノアラシは相変わらず鈍いわね。用って言うのと調査って言うのは昨日のことよ」
「もしかして、爆破するってやつのこと?」
「そうそう。俺たちの手で何とかしてみないか?」
「でも、爆破って言ったら危険だし……。それに、校長先生に言ったから何らかの処置を取ってくれているはずだよ」
「そりゃあ、取ってるだろうけど、ゲンガーたってたくさんいるんだからわからないだろ」
「そうだけど……」
「大丈夫だって。ヒノアラシ」
「やっぱり、僕はいいよ。恐いし……」
「ワニノコ。ヒノアラシは置いていきましょう」
「でも、ヒノアラシがいたほうが……」
「嫌がってるんだからしょうがないじゃない。さあ、行きましょう」
ワニノコちチコリータは、ヒノアラシをホテルにおいて、昨日ゲンガーと出会った場所へと向かった。
そこに入るのは慎重に進み、様子を見ながら奥へと進んでいった。
「あれ?」
だが、奥には何もなかった。どうやら、すでに引き上げてしまったようだ。
「こりゃ、ダメだ。もう、逃げたらしい」
「そうみたいね。戻りましょうか」
チコリータがそう言い、来た道に戻ろうとすると、突然ゲンガーが現れた。
「きゃ!」
チコリータはそれに驚き、ワニノコに飛びついた。
「お、おい、チコリータ!」
「え? あ、ごめんなさい」
チコリータはワニノコに飛びついたことを意識していなかったらしく、ワニノコが声をかけてから自分がしていることを認知して、ワニノコから離れた。
「ケケケ。お前らは昨日の奴らだな。もっとも、ヒノアラシがいないみたいだけどな。一体なんのようだ?」
「お前らをとっ捕まえるために来たんだよ」
「ケケケ。俺たちの目的を知ってるのか?」
「ええ。国内学校別大会を爆破し中止させようとしているんでしょ。そんなことはさせないわ!」
「ケケケ。そうさ。あんな大会なんかなくなっちまえばいいんだよ!」
「なんだと!」
「あんないまいましい大会なんて開催している意味がない! なくなっちまえばいいのさ!」
ゲンガーはそう力強く言うと、その場から消えてしまった。
「くっ。やっぱり、爆破するきか」
「どうするのワニノコ? あいつを止めないと大会はめちゃくちゃになるわよ」
「わかってる。だけど、あいつがどこに行ったかがわからないとどうしようもないし……」
ワニノコがそう言ったときだった。突然、ワニノコたちの周りに白い煙が立ちこんできたのだ。
「な、なんだ!?」
「これは……ねむり……ご……な」
「チコリータ……」
周りの白い煙を吸い込んだ二人はその場で倒れてしまった。
そう、これはチコリータの言ったとおりねむりごなだったのだ。
二人が倒れ眠ってしまったのを見るとゲンガーが現れた。
「ケケケ。眠った眠った」
それからどれくらいがたったのだろう。ワニノコがゆっくりと目を明けた。
「ふわぁ」
ワニノコはあくびをしながらおきた。すると、そこは見慣れぬ場所だった。
あたりはコンクリートで覆われ、目の前には柵がある。高いところにある小さな穴からオレンジ色の太陽の光が差し込んでくる。
「ここは牢屋? でも、どうしてこんな所に……」
ワニノコがそうつぶやくと、横に倒れているチコリータを発見した。
チコリータを発見したワニノコはチコリータをゆすった。すると、ゆっくりと目を覚ました。
「ここは?」
チコリータはそう言いながら起き上がった。
「わかんない。でも、どうやら閉じ込められたみたいだ」
「閉じ込められた? あ! 本当だ!」
チコリータは柵を見て、ワニノコの言ったことを理解した。
「でも、どうして閉じ込められたんだろう……?」
「たぶん、ゲンガーの仕業だ。俺の記憶だと、ゲンガーが消えてからそれから数分後までの記憶しかない」
「私も。こんなところに閉じ込めていったいどうしようって言うのかしら?」
「それより、ここを出る方法を考えよう。そろそろ日が沈んでしまう」
「そうね。はっぱカッター!」
チコリータは柵に向かってはっぱカッターを放った。だが、柵はびくともしない。
「やっぱり無理ね……。私の力じゃ……」
「フシギバナでやってみたらどうだ?」
「それができないの。今日の戦いでフシギバナを使ったでしょ? それで、結構体力が消耗しちゃっていたから、今日は置いてきちゃったの」
「そうなのか……。じゃあ、エアームドはいるのか?」
「一応いるわ。出てきて! エアームド!」
チコリータはエアームドを出した。
「お願いエアームド。あの柵をあなたのわざで壊すの。はがねのつばさ!」
エアームドは柵に向かってはがねのつばさをした。だが、スピードが加わらない部屋の中ではあまり威力は出なかったため、柵は壊れなかった。
「やっぱり無理ね……。戻って! エアームド」
「どうするか。柵は壊れそうもないぞ」
「そうね……。ワニノコの持っているピジョットとカメックスでもさすがにこれを壊すことはできないでしょうね」
「となると、後はあの小さな穴を広げて、外へ出るしかないな」
「そうね」
「よし! 出て来い! カメックス! ピジョット!」
ワニノコはカメックスとピジョットを出した。
「頼んだぜ! ダブルはかいこうせんだ!」
ワニノコの二匹の手持ちは、小さな穴をめがけてはかいこうせんを放った。
すると、大きな音と大きながれきが落ちてきた。だが、大きな穴ができた。
「よっしゃ! 戻れ! 二匹とも」
「じゃあ、行きましょう。エアームド! お願い!」
チコリータは再度エアームドを出し、二人でエアームドに乗った。
「よし。これで、逃げられたな」
「でも、一体どうして閉じ込められたのかしら?」
「さあ? とりあえず、ホテルに戻ろう。向こうに会場が見えるからあそこがワックシティだろうからな」
こうして、ワニノコたちは謎の牢屋から脱出した。
一体、ワニノコたちが閉じ込められた意味がわからぬまま。そして、誰が閉じ込めたかがわからぬままホテルへと戻るのである。
第九話終了第十話に続く・・・
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