国内学校別大会が終わり、次の大会であるスクールオブワールドチャンピオンシップへ向けているとき、新しい仲間、アメモが加わるのだった。
国内学校別大会の休日も終わり、学校へと向かったワニノコたち。
その日からワニノコたちは放課後になると、スクールオブワールドチャンピオンシップのための練習を始めるのだった。
相手は世界の人々。今の自分達の力ではダメだと思ったのであろう。いや、さらに力をつけスクールオブワールドチャンピオンシップに望もうという気持ちからかもしれない。
それから、数ヶ月がたちスクールオブワールドチャンピオンシップが開催される十日前の日にワニノコたちは世界へととびたった。
そう、ついにスクールオブワールドチャンピオンシップが開催される時期となったのだ。
その時期にはすでに桜が咲く時期となっており、ライチュウやタツベイは卒業をしていってしまっていた。
「ああ、もうこんな時期か」
スクールオブワールドチャンピオンシップが開催される地「ルーワドシティ」へと向かっているフェリーの部屋の中でワニノコはつぶやいた。
「そうだよね。校内大会をやっていた時と国内学校別大会のときは冬だったのに今じゃもう春だもんね」
「ああ。ライチュウさんとタツベイさんも卒業して行ったし、俺たちもそろそろ六年になるんだもんなぁ」
「うん。でも、この時期ならライチュウさんだって、大会に参加できたのにね。受験は終わっただろうしさ」
「そうだな。まあ、ライチュウさんにも考えがあったのさ。ところで、甲板にでも行くか」
「嫌だ」
「即答かよ……。何で嫌なのさ。別に落ちるわけじゃないだろ」
「でももし落ちたら恐いしさ……」
「いざとなったらリザードンを出して、助けてもらえばいいじゃんか」
「そんな瞬時に出せないよ……」
「大丈夫だって、さあ行くぜ」
ワニノコはヒノアラシを引っ張りながら甲板へと向かった。
甲板に着くとそこには、数人の乗客がいただけで、ほぼがら空きだった。
「ほら、別に問題ないだろ」
ワニノコはヒノアラシをつかみながら甲板の一番先端へと向かった。
そして、ヒノアラシに海を見せてあげたのだ。
「問題ないけど……やっぱり恐いよ……」
「相変わらず臆病な奴だな」
「どうでもいいけど、早く僕をそっちに戻してよ……」
ヒノアラシにそう言われワニノコは手を引きヒノアラシを甲板の板の上に乗せた。
「たく、ヒノアラシの性格は相変わらず変わらないんだな……」
「そんなに性格なんて変わるわけがないじゃないか。あれ? あれ、チコリータとアメモじゃない?」
ヒノアラシがそう言うとワニノコはあたりを見回した。すると、そこにはチコリータとアメモが海を眺めていた。
「なにをしているんだ?」
ワニノコとヒノアラシは二人に近づき話しかけた。
「あ、ワニノコとヒノアラシ。なにしてるって、ただ海を見ているだけよ」
「まあ、そうだろうな。それ以外やることないし」
「だったら聞かないでよ。ところで、あなたたちは何をしているの?」
「暇だったから甲板に来ただけさ。まあ、ヒノアラシは無理やり俺がこさせたんだけどね」
「無理やりというと何かあったんですか?」
ここでアメモがワニノコに聞いた。
「何かあったというか、アメモも知っている通りヒノアラシは臆病な性格だからな。海が恐くてここまでこれないんだよ」
「だって海は水の山だし……ほのおタイプの僕が落ちたら……」
「大丈夫ですよ、ヒノアラシさん。落ちてもワニノコさんという心強い仲間がいるんですから助けてくれますよ。一時の恐怖だけで済むんですから」
「その一時の恐怖が嫌なんだけど……」
「誰だって恐怖は体験するものですよ。そう言う体験は今後役に立つと思いますよ」
「そうかなぁ……」
「そうですよ。とりあえず一人で海を見ることができるぐらいにはなったほうが良いと思いますよ」
それからワニノコたちはいろいろと船内を見て回った。その晩にはルーワドシティに到着しなかったので、船内の部屋で一泊した。
部屋割りは、ワニノコとヒノアラシの部屋とチコリータとアメモの部屋という性別で分けられた部屋割りである。
次の日の昼ごろに船はルーワドシティの港へと到着した。
港からは送迎バスが来ていたため、それに乗りホテルへと向かった。
ルーワドシティは、世界大会をするために作られた街であるため、さまざまな言語の広告があり、いろんな国の人がいる街だった。
街には高層ビルが数個建っており、灰色一色に染まったような街である。
田舎の町であるセントタウンに住んでいる彼らにとっては国内学校別大会以来の光景だ。
そして、アメモにとっても、ESF学校があるエンセルトシティの街以来の光景であった。
ホテルに着くと、船の時と同じ部屋割りだった。
そして、その晩に校長の部屋でミーティングが行われた。
「スクールオブワールドチャンピオンシップが九日後に開催される。そこで、少し早いがルールの説明をしようと思う」
ここで校長はテーブルの上にある紙を取り再度話し始めた。
「スクールオブワールドチャンピオンシップでは、国内学校別大会と同じく予選リーグが開催される。予選リーグでは、タッグバトルを一試合行いその試合で勝ったほうが勝利となる」
「それで一体リーグ戦は何試合するんですか?」
「参加国数が、三十校と少ないため一リーグ四校の学校が六個。三校のリーグが二個だ。我が校は四校のリーグである、Bブロックだ」
「それだけですか」
「そうだ。とりあえず、ルールは難しく言わなければこれだけだ。頭に入れることなどほとんどないがちゃんと忘れないようにするように。では、今日のところはここら辺で終わるとしよう。各自部屋に戻りたまえ」
次の日。ワニノコたちは、街を見学しついでにお土産も買った。
そして、練習ができそうな場所を探し、やっとの思いで発見した。そこは、ホテルの近くにあった。
それから時はたちスクールオブワールドチャンピオンシップ開催前日。
ワニノコたち四人は発見した練習ができそうな場所で練習をしていたときだった。
「ここでなにをしているんだ!」
そう言ってきたのはグラエナだった。後ろには、ノクタス・ブーピッグ・ザングースがいる。
「なにって、バトルの練習を……」
「ここはおれたちの領土だ! お前らなんかに使われてたまるかよ!」
「領土って、お前、ここは誰のものでもないはずだろ! お前達がこの場所の土地を持っているって言うのか?」
「黙れ! ここはおれたちが先に練習場として使っていたんだ。お前らなんかに使わせるわけにはいかねぇ!」
「なんだと!」
「なんだよ!」
「ちょっと、やめなさい」
ワニノコとグラエナがけんかをしそうになっているのをチコリータはとめた。
「チコリータは黙ってろ。俺が決着をつけてやる」
「待ちなさいよ、ワニノコ。こんなところでそんなことをしてなにになるって言うの」
「ほう、決着をつけるか。ならいいだろう。ポケモンバトルで決着をつけようじゃねぇか」
「いいぜ。受けて立ってやる!」
「ちょっと待ちなさい!」
チコリータは大声で言った。
その時、後ろのノクタスが言った。
「ハイエッドやめろ。こんなところでポケモンを痛めつけてどうする」
「だがキャクナル。おれらの領土をあらされてなんとも思わねぇのか?」
「思うがこんなところで争っている暇などないというのだ」
「チッ。しかたなぇ。いいかお前ら。今回は見逃してやるがこんど会った時は承知しねぇからな。行くぞ、キャクナル。ピッド。グッカット」
ハイエッドと呼ばれたグラエナはそう言ってワニノコたちを置いていきどこかに行ってしまった。
「くそ。逃げられた。チコリータが余計なことを言うから」
「あのキャクナルとかいったノクタスの言うとおり私たちもポケモンを痛めつけるわけには行かないわ。明日は試合なのよ」
「そういえば試合だったね。もしかしたら、あの人たちも参加者だったのかな?」
「その可能性は高いですね。でも、今は考えてばかりはいられませんから、ホテルへ帰りましょう。ここで、練習をしていると面倒なことになりますから」
アメモのその一言でワニノコたちはホテルへと戻ることとなった。
ハイエッド。キャクナル。ピッド。グッカット。彼らは一体何者だったのか。
スクールオブワールドチャンピオンシップの幕が静かに開けようとしていた。
第二十話終了第二十一話に続く……
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