当サイトについて小説掲示板リンク

巨大な敵を前に

 外に脱出すると、そこではたくさんのドラピオンたちと共にチーム突風の三人が倒れていた。まだ息絶えてはいないが意識がなかった。レオンは急いでディンに念じを送り、三人を安全なところへ――また、意識を回復できるところへと送った。

「仲間たちは安全な場所にでも送ったかい?」チーム突風の三人を送る光景を高目で見ていたブレーズはいった。

「ああ、送らせてもらった」とレオン。「だが、お前は安全なところに送ることはしない」

「なんとでもいうといいよ。君たちは僕が地上に戻って何をしたかわかってるのかい? ホウオウの捕獲さ!」ブレーズは一個のボールを取り出した。「そのホウオウは今この中にいる。これでこの世界は僕らのものとなった。もう君たちなんて目じゃないが、ここまで知ったものを生かしておくわけにはいかない。君たちにはここで今度こそ消えてもらうよ!」

 ブレーズは持っていたボールを投げた。まばゆすぎるほどの光と共に、翼があらわれ次にその栄大なる体が現れた。包まれていた光ははじけとび、その美しい赤い色を彼ら全員にあらわした。そして、その鋭い鳴き声を発した。

「ホウオウ……」ワニノコはその姿をみてつぶやいた。「やっぱりお前は俺の前に立ちはだかるのか……」

「行け! ライボルト!」レオンはライボルトを出した。ライボルトはどこか疲れているようだったが、薬を使ったのか回復していたようだった。

 そのレオンの行動を見たほかの三人もワニノコはカメックスを出し、ヒノアラシはダグトリオを、チコリータは弱ったエアームドを出した。

「四対一がなんだという」ブレーズはつぶやいた。「こっちはホウオウだ。負けるはずがない! やれ、ホウオウ!」

 ホウオウは鋭い鳴き声を発し、炎をはいてきた――かえんほうしゃだ。そのスピードは速かった。カメックスは少しばかりダメージを受けてしまったがほかの三匹はなんとかかわすことができた。しかし、ホウオウはそれで攻撃の手は休めなかった。多く散ったほう――エアームドとダグトリオが逃げた方向にかえんほうしゃを放ち続けた。

「エアームド! こうそくいどう!」

「ダグトリオはあなをほるだ!」

「カメックス! ハイドロポンプ!」

「ライボルト! 十まんボルト!」

 前者二匹はそれらのわざによってかえんほうしゃをかわすことに成功した。その二匹に意識が行っているホウオウに後者二匹は攻撃をした。それらの攻撃は見事にヒットしたものの、また、こうかはばつぐんであったにもかかわらず平然とした様子をホウオウは保っていた。前者二匹にかわされると、ホウオウは後者二匹のほうへと向き、かえんほうしゃを放ってきた。

「カメックス! ハイドロポンプだ!」

「チッ、ライボルト! 十まんボルト!」

 カメックスはかえんほうしゃに対してハイドロポンプを放った。すばやいこのかえんほうしゃをカメックスがかわすことができないと考えた上でやった賭けだった。ダメージを受けるなら少しばかり威力を下げたダメージを受ける――そういう考えだ。だが、レオンのライボルトはそうではなく最初はかわそうとしたものの、かえんほうしゃとハイドロポンプがぶつかりあっている場所に十まんボルトを付け加えた。

「ふせろ!」レオンは叫んだ。すると、突如、ぶつかり合ったものは大爆発を起こした。その大爆発の爆風で、攻撃していた三匹とほかの二匹はそのときの位置相応のダメージを受けてしまった。その中で一番ダメージを受けたのはホウオウであったが、やはり何事もなかったかのようにかえんほうしゃを放ってきた。そのかえんほうしゃはエアームドに向けられ、まだ、爆風のダメージから立ち直っていないエアームドはそれをかわすことはできず、その場で戦闘不能となってしまった。

「エアームド!」チコリータはそう叫び、エアームドをボールに回収した。

「これでチコリータはもう何もできないか……」レオンはつぶやいた。「だが、まだ三人いる。行くぞ! ライボルト! 十まんボルト!」

「カメックス! ふぶきだ!」

「ダグトリオ! トライアタック!」

 ホウオウはすべての攻撃を受けた。だが平然とした様子でそれを受け、かえんほうしゃで反撃をしてきた。今度はライボルトが標的だったがライボルトは俊敏にかわし、かみなりで攻撃を仕掛けた。さらにカメックスはれいとうビームを放った。だがやはり――。

「気にするな、ワニノコ!」とレオンは言った。「きいてないといえど、ダメージは少しずつたまっているはずでだ。攻撃さえ仕掛けていればやつだっていずれかは倒れる」

 そんな会話中にもホウオウは攻撃の手を緩めない。二人の会話はすぐに中断され、ワニノコはレオンの言葉にただただうなずくだけだった。

「だったら、僕らだって攻撃を続けるよ! ダグトリオ! トライアタック!」レオンとワニノコの会話を聞いたヒノアラシはそう大声でいい、トライアタックでホウオウを攻撃した。やはりダメージを受けたような様子はみせないもの、ヒノアラシは手ごたえを感じたように思えた。

 だが、その手ごたえも何の意味もなさなくなってしまった。トライアタックで攻撃をしたはいいが、ホウオウのかえんほうしゃがダグトリオを襲ったのだ。とっさの攻撃だったものの、地中にもぐりこめたのはよかったのだが、かえんほうしゃはその穴さえも抜けダグトリオを襲った。

「カメックス! ハイドロポンプ!」

「ライボルト! かみなり!」

 ホウオウのかえんほうしゃは続いてた。その攻撃をとめるべく、カメックスとライボルトは攻撃を仕掛けたがホウオウはまったく攻撃の手を緩めようとしなかった。しかし、突如、ホウオウは大きな鳴き声とともに攻撃を中止した。

「ヒノアラシ、いまだ!」

 そのワニノコの声と共にヒノアラシはダグトリオの穴へと近づき、中のダグトリオの様子を伺った。ひんし状態だった。ヒノアラシは急いでボールに戻し、その場を後にした。なにせ、ホウオウの攻撃がいつ飛んでくるからわからないのだ。

「カメックス! もう一度ハイドロポンプだ!」

「ライボルト! お前もかみなり!」

 二匹の攻撃は的中した。ホウオウはその攻撃をなんとも思わないかのように、今度はだいもんじで攻撃を仕掛けてきた。そのわざのスピードもかえんほうしゃと同じで、威力が増したかえんほうしゃのようだった。その攻撃をライボルトこそかわせたものの、カメックスはかわすことができなかった。

「カメックス! こうそくスピンだ!」

 だが、さすがワニノコというのかカメックスというのかカメックスはこうそくスピンでだいもんじの攻撃から少しでもダメージを減らし、だいもんじのエリアから脱出した。

「そのまま、攻撃だ! カメックス!」

「ライボルト! スパークだ!」

 カメックスとライボルトは遠距離攻撃から直接攻撃へと持ち込んだ。ホウオウはその大きな体で足元にいる二匹に攻撃することはままらなかったため、こうそくスピンとスパークのダメージは受けた。だが、そのままホウオウはやられっぱなしになることはなく、げんしのちからで二匹を攻撃した。

 ダメージを受けたカメックスとライボルトはいったん間を取った。

「そこなしの体力かよ……」ワニノコはつぶやいた。

「シルフコーポレーションでの戦いのときの方法がとれればいいんだが、今、リザードンとフシギバナは使えないからとれない。なにか作戦を考えなければ」

 レオンは何かの作戦を考えながら戦い続けた。だが、ホウオウはその作戦を考える時間を与えなかった。間が空けばホウオウがすぐに攻撃してくるし、こちらから攻撃した後は必ず攻撃を仕掛けてくる。絶対に間を与えないのだ。その光景をブレーズは高目で「しぶといな」ブレーズは心の中でそう思いながら悠々と見ていた。

 ホウオウの体力が底なしでも、カメックスとライボルトの体力は底なしにはほど遠かった。なんせ、この遺跡の前の最初の戦いで体力を消耗していたしカメックスはさらに戦いを続けたからそれなりの体力を消耗していた。

 そんな二人にチャンスが到来した。ホウオウがあのわざを発射する体勢に入ったのだ。

「ライボルト、じゅうでんだ!」

 その体勢に入るとライボルトはじゅんでんをはじめた。そして、レオンはワニノコに小さな声で支持を出していた。「ホウオウの必殺わざがくる。こちらも準備しろ」と。

 そして、ライボルトのじゅんでんが完了した。それと同時にレオンは叫ぶように言った。

「行くぞ! ライボルト! かみなりだ!」

「ハイドロカノンだ、カメックス!」

 じゅんでんによって威力が高まったかみなりとみずタイプ最強わざハイドロカノンがホウオウに命中した。さすがのホウオウもそれらの攻撃を受けると悲鳴のような鳴き声をあげ、攻撃を中断した――かと思われた。

 だが、実際は違う。ホウオウの目は鋭くカメックスとライボルトを捕らえていた。そして、二匹の攻撃が終わるとブレーズはすかさず言った。

「せいなるほのお……」

 強力なせいなるほのおのスピードは桁違いだ。一気にそれはカメックスとライボルトを襲い、また、ワニノコまでもがそれに巻き込まれてしまった。

「ワニノコ!」ほかの三人は叫んだ。

 ワニノコはほのおの中でもがいている。あたりは赤い炎のみが支配し、ほかの光景が見えない。あたりの世界は火山の中にいるようだった。せいなるほのおの火力は違い、みずタイプのポケモンを持っていないほかの三人はどうすることもできなかった。

 そのときだ。突如、遺跡の前にはすなあらしが起こり始めた。そのすなあらしはとても勢いのあるもので、せいなるほのおの炎をも消し去ってしまった。そして、ワニノコを誰かが抱えていたのがレオンにはわかった。しかし、それが誰であるかはわからなかった。なにせ、すなあらしが起こっていて、視界が悪かったからだ。

「戻れバンギラス」ワニノコを抱えているものはバンギラスをボールに戻し、あまごいを行った。すると、すなあらしはみるみる晴れ、その姿をみなの前に現した。

 抱えられているワニノコはあまり開かない目で抱えているものをみてつぶやいた。

「父さん……」

 ワニノコの目は閉じられた。

 第十九話終了第二十話に続く……

コメントを送る

 この小説に関するコメントがあればどうぞ。