ガルーを倒し右の道を進んでいたレオンとチコリータたちもしばらく歩き続けると広間へと出てきた。そこはやはりガルーと戦った場所と同じ構造で彼らもまた、元の場所に戻ってきてしまったのではないかと思ったほどだった。
だが、やはりそこは元の場所ではないことがワニノコたちと同様奥へと進む道の前にバクオングが立っているからだった。
「誰だお前?」レオンは厳しい口調で訊いた。
「俺様はスコーピオンの幹部であるバオグ。不審者が侵入しガルーが倒されたからってここに送られちまったんだよ。それもこれもお前らのせいだ」とバオグは不満を言った。「だから、とっとと安らげるようにお前らはここで倒してやる。お互いの休息のためだ」
「悪いけど」とチコリータ。「私たちは休んでいる暇はないの。そんなに休みたいならここで休んで私たちを奥に通してよ」
「とんでもねぇ! そんなことをしたら俺様の安らぎがなくなっちまう!」
「だったらお前はこの建物の外で安らぎを感じてもらうことにしよう」レオンはそういうとバタフリーを出した。それをみたチコリータもフシギバナを出した。
「おまえらもいきな!」バオグはそういうとゴニョニョを四匹同時に出してきた。二対四だがゴニョニョはそれほど強いポケモンではないしチコリータは勝利を確信した。
「チコリータ」とその様子が外に現れたのだろうレオンが言った。「相手はスコーピオンの幹部だ。絶対に何かあるに決まってる。手を抜くなよ」
チコリータはうなずくと、その目は真剣そのものになりバオグをにらみつけた。だが、バオグは平気そうでレオンたちからの攻撃を待っているようにも思えた。実際にしばらく間が空くとバオグは先に攻撃してこいといってきたのだった。
「いいだろう。バタフリー! しびれごなだ!」
「ゴニョニョ! ハイパーボイス!」
ゴニョニョのハイパーボイスは部屋全体を響かせ、バタフリーやフシギバナのみならずレオンとチコリータにも効果を表し、しびれごなは使ったバタフリーの方へと戻ってきてしまった。レオンはなんとかバタフリーをしびれごなにヒットしないようにさせることができた。だが、ハイパーボイスの音響はまだ響いていた。
「フシギバナ! はっぱカッター!」
「バタフリー! ぎんいろのかぜ!」
「ハイパーボイス!」
まだ部屋に残っている響きにさらに加わり、前のハイパーボイスより大きい響きが彼らを襲った。だが、今回はしびれごなと違いはっぱカッターとぎんいろのかぜは見事にゴニョニョにヒットした。だが、ゴニョニョといえどレベルが高いのかそれだけではほとんどダメージを受けていないようだった。
「たたみかけるぞ! もう一度ぎんいろのかぜ!」
「フシギバナ! あなたももう一度はっぱカッターよ!」
二匹の攻撃にゴニョニョはかわすことなくすべてを受け止めていた。そのときに煙ができ、ゴニョニョの姿が彼らには見えなかった。その煙の中から突如赤い炎――かえんほうしゃが二匹を襲った。かえんほうしゃは四匹分で通常のかえんほうしゃと比べて四倍の威力を持っていた。
「バタフリー! ふきとばし!」
「フシギバナ! こうごうせい!」
二匹はそれらのわざによってかえんほうしゃの攻撃から身を守った。だが、ゴニョニョの攻撃はハイパーボイスに変わり攻撃の手を緩めない。
「バタフリー! サイケこうせん!」
「フシギバナ! はっぱカッター!」
ハイパーボイスの音響が響く中で、二匹はそれらの攻撃でゴニョニョのハイパーボイスを停止させた。
「バタフリー! ぎんいろのかぜ!」
「ゴニョニョ、かわせ!」
しかしバオグの期待にゴニョニョは応えられなかった。ぎんいろのかぜは見事に全部のゴニョニョにダメージを与えた。さらにフシギバナが追い討ちをかけるようにソーラービームをゴニョニョたちの中心部に放ちそれぞれにダメージを与え、戦闘不能状態に近くさせた。
「よし、いいぞ、チコリータ。バタフリー! とどめのぎんいろのかぜを放て!」
ぎんいろのかぜがゴニョニョに迫る! チコリータが勝利を確信したときバオグは突如ゴニョニョに指示を出した。
「ねむるだ!」
ゴニョニョは突如とねむりに入って行った。それと同時にぎんいろのかぜがヒットしたが、ゴニョニョは戦闘不能になることなく、また受けたダメージも回復し全回復したかと思うと、ゴニョニョは目を覚ました。
「カゴのみとのコンボか……」レオンはそれをみてつぶやいた。
「そうだ。ゴニョニョ! かえんほうしゃだ!」
「横に動いてかわすのよ、フシギバナ!」
「バタフリー! お前は上昇してかわせ!」
かえんほうしゃはあたることなく消え去った。その後、バタフリーはサイケこうせんを放ったがゴニョニョたちはそれを綺麗にかわした。そして、またハイパーボイスでバタフリーとフシギバナを攻撃してきた。その攻撃によるダメージはだんだん募ってゆき二匹の体力は半分をきった。だが、まだまだ戦えるとばかりに二匹は大きく鳴いた。
その鳴き声をきいたレオンは唐突に頭に作戦がひらめいてた。少し考えた後、その作戦をチコリータに教えた。
「わかったわ。できる限りやってみる」
「頼んだぞ。その状態になればこちらの勝ちは同然だ」
「なにをごちゃごちゃと!」こそこそ話しを見たバオグは叫んだ。「ゴニョニョ、ハイパーボイス!」
また部屋の中に巨大な音が響き渡った。レオンたちはそれにひるみそうになったが、フシギバナがはっぱカッターでハイパーボイスをとめさせたので何とかなった。
「フシギバナ! ハードプラントよ!」
その唐突なくさタイプ最強のわざを使われたバオグは驚き何もすることができず、ゴニョニョたちはみなハードプラントのつるにつかまってしまい身動きがとれなくなってしまった。
「バタフリー! ねむりごなだ!」
「ゴニョニョ! ハイパーボイス!」
だがゴニョニョたちはハイパーボイスを放つことはできなかった。よって、バタフリーのねむりごなを吸いゴニョニョたちはねむり状態となってしまった。
「これでこちらの勝ちだ」とゴニョニョが眠ったのを見てレオンは言った。「お前の負けだ、バオグ。そこをどいてもらおう」
「馬鹿なことをいうな。まだ、俺様のゴニョニョは――」バオグはここで言葉をきった
「どうした? ゴニョニョはなんなんだ?」レオンはすかさず言った。すると、バオグはだんまりしてしまった。
「ゴニョニョにはフシギバナがソーラービームを放つ準備をしている。そして、オレのバタフリーもだ。今に発射しようと思えば発射できる状態だ。それでもあきらめないというのか?」
「クッ」それを聞いたバオグはひざまずいた。それをみたレオンはいった。
「ゴニョニョたちをボールに戻すんだ」
バオグがおとなしく従うとレオンはディンに念じバオグがテレポートでこの場から去って行った。
「みかけによらない性格のやつだったな」テレポートでバオグがいなくなるとレオンは言った。
「そうね。さあ、それより早く奥に行きましょうよ」
レオンはうなずき、奥の道へと進んで行った。
第十六話終了第十七話に続く……
コメントを送る
この小説に関するコメントがあればどうぞ。