「カメックス! ハイドロポンプ!」
「ライボルト! 十まんボルト!」
「リザードン! かえんほうしゃ!」
「フシギバナ! はっぱカッター!」
「かえんほうしゃだ!」
「ハイドロポンプを受けてみろ!」
「でんこうせっか!」
七人はいっせいに攻撃を仕掛けた。一方、相手のポケモンたちはできる限り攻撃をかわすのに努力したが完全にかわすことはできず、ダメージは負ってしまった。
「ウィンディ! かえんほうしゃ!」
「ラグラージ! ハイドロポンプ!」
ウィンディはフシギバナに。ラグラージはリザードンへと攻撃をした。しかし、それらの攻撃は他のポケモンたちが攻撃を仕掛けたことで二匹にあたることはなかった。ウィンディとラグラージはさらに攻撃を続けるがやはり数の差がありまったく攻撃を当てることができていなかった。
「ドンカラス! あくのはどう!」
「かげぶんしんだ、ライボルト!」
ブレーズの手持ちであるドンカラスの相手はレオンのライボルトだった。タイプ相性的にはレオンが有利ではあるものの、なかなかドンカラスに攻撃を当てることができていなかった。それはレオンが弱いからではない。敵が強いのだ!
このバトルはレオンを除いた六人とヒートとブラグとブレーズとレオンのバトルにいつの間にかに分離していた。
前者はかなり優勢で、すぐにでもヒートとブラグは倒されてそうであるのに対し後者はレオンが敵の攻撃に押されていた。
「まずいな」レオンとブレーズのバトルを横目で見ていたワニノコはつぶやいた。「レオンの奴、てこずっている……」
「ワニノコさん」と、ワニノコのつぶやきを聞いたアラシは話しかけてきた。「僕らがレオンさんの援護をしましょうか? こちらはウィンディに対してカメックス、ラグラージに対してフシギバナと何かと有利ですから僕らはいなくても大丈夫でしょうし」
「ああ、そうだな。こっちはこっちで何とかなる。レオンを助けてやってくれ!」
「なめられたものだぜ」その様子をみたヒートはつぶやいた。「ウィンディ! だいもんじで焼き尽くしちまえ!」
「リザードン! こっちもだいもんじだ!」
「そして、カメックス! ハイドロポンプ!」
巨大なウィンディのだいもんじとリザードンのだいもんじがぶつかり合った。その大の字の真ん中をハイドロポンプは抜けウィンディにハイドロポンプがヒットした。ウィンディはこうかはばつぐんのわざを受け戦闘不能になってしまった。
「チッ、ラグラージ! れいとうビームを放て!」
ウィンディの状況を見取ったブラグはラグラージのれいとうビームで攻撃を仕掛けることにした。カメックスを凍らせてしまえばウィンディが苦しむ確率は低くなるのだ。しかし――。
「残念ね」チコリータはつぶやいた。「フシギバナ! ソーラービーム発射よ!」
だいもんじがぶつかり合うときからフシギバナはソーラービームのチャージを開始していた。そのチャージが完璧になりれいとうビームが発射されたと同時にソーラービームも放たれ、ラグラージに見事に直撃した。四倍ものこうかばつぐんのタイプのわざを受けてしまったラグラージは一気に戦闘不能となってしまった。
「クッ、ブラグ、ここはいったん退却するしかないな」
ブラグはその言葉に同意し、ヒートとブラグはその場から森の中へと走り去って行った。ワニノコはその二人を追おうとしたがチコリータがそれをとめた。
「まだブレーズがいるでしょ! あいつらを追ってる暇はないわ」
三人がブレーズとの戦いに加わったとき、レオンのライボルトはもうひんしになっているのではないかというほどダメージを負っていた。そして、チーム突風の三人もダメージを負っていたがまだ戦う姿勢をもっていた。
「大丈夫か、みんな?」ワニノコは四人に駆け寄るとそう訊いた。
「所詮、あの二人は雑魚たちか」ワニノコたち三人がこちらに来るとブレーズは彼らを軽蔑する口調で言った。「シルフコーポレーションなどというところにいたからといってたいしたものではないわけだな」
「ブレーズ! 観念しろよ!」ワニノコは叫んだ。「たとえ、この四人が傷ついていても必ずお前を倒してやるからな!」
「威勢のいいワニノコだね、君は」とブレーズ。「だが、君たち三人だけでは僕は倒せない。けれど、今ここにいる七人だとつらいものがある。そこのピカチュウはチームレジェンディアの副リーダーであるし、スカーフをつけた三人は遠い場所から来たポケモンたちだ。僕にとっては未確認物体と同じものだよ」
「なにがいいたい?」
「要するに君たち全員を相手にするとさすがの僕も危ういということさ。だから、僕は逃げさせてもらうよ!」
ブレーズはそういうとドンカラスをボールに戻したらさっそうと遺跡の中に入って行ってしまった。その姿はすぐ見えなくなってしまった。
ワニノコたちはブレーズと戦っていた四人の状態を確認した。
「あいつのあのポケモンはそんなに強かったのか?」ワニノコはレオンに訊いた。
「強いとはいえまい。だが、レベルの差があるのだけはわかった」
「じゃあ強いんじゃないか。レオンがそこまでいうんだったら相当強いんだろうな」
「オレはこのままあの遺跡の中に入っていいものか疑うよ。あれだけ強い奴に勝てるわけがない。だが、ディン様の指令は『進め』の一言だ。何かディン様に考えがあるのかもしれないがオレはこれには反対だな」
「でも、今から引き下がるわけにはいかないぞ。そうでもしてみろ、どんなことになることやら」
「そんなことはわかっているが――」
「レオンらしくないな」弱気なレオンに対してワニノコは声をたかめて言った。「そんなにお前は弱気な奴じゃなかっただろ? もっと、冷静で前向きな奴だったはずだ」
「ワニノコ――」
と、そのときだった。レオンの目にたくさんのドラピオンがやってきているのが感じて取れた。レオンはそのことを六人に告げた。
「どうする? このままではまずいぞ」とレオン。
「レオン、ディンの言葉はこれだったんじゃないか。もう後戻りはできないんだ」
「でも進んだところで遺跡の中じゃたくさんの敵は相手にできないよ」とヒノアラシ。
「それだったら僕らに任せてよ」と、アラシは言った。「僕らが遺跡の入り口で敵のドラピオンを相手にするよ。そうすれば遺跡の中に入られることはないし、レジェンディアのみんなは集中して遺跡の中を歩ける」
「しかし、チーム突風のものたちは皆疲れているだろう。そんなことをさせるわけにはいかない」
「大丈夫さ。俺らはそんなにやわじゃない」とゲイト。「俺らはレジェンディアのみんなが思っている以上に苦労をし、強敵と戦ってきたんだ。どんなに苦しくたってね」
「どうだ、私たちを信じてはくれないか?」とソル。「絶対に大丈夫だから」
レオンは三人を見回した。そして、決心するように言った。
「わかった。どうか頼んだぞ、三人とも。そして、オレたちは中に行く」
その言葉を聞いたワニノコは顔がほころんだ。――いつものレオンに戻った。
そうして、彼らは二手に分かれ、チームレジェンディアは遺跡内へと入っていった。
第十三話終了第十四話に続く……
コメントを送る
この小説に関するコメントがあればどうぞ。