ワニノコたちはまずスコープビレッジに戻り荷物を取りに帰った。そこで、エトとエルに別れを告げた。
「もう一回戻ってきてくれますよね?」エルは訊いた。
「もちろんだとも」ワニノコは答えた。「カンジョウ大陸に戻るときには必ずここにきてから帰るさ」
スコープビレッジを後にした彼らはまずフェニックス砂漠に近いフェニックスシティへと向かうことにした。スコープビレッジで休みスコーピオン砂漠を調べたのと同じように、フェニックスシティで休みフェニックス砂漠を調べようと考えたのだ。
フェニックスシティは決してワニノコ達の目からしては大きな町とは思えないが、トレンドアイランドでは大きな町と一般に認識されている。そのため高層ビルなどはないが、灰色の建物ばかりが彼らの目の前に映る。
そんな灰色の建物の間にワニノコたちはピカチュウとジュプトルとオオスバメとフーディンがいるのを見て取れた。ワニノコはそれらの人物を知っていたので急いでかけて行き、彼らに話しかけた。
「久しぶりだな、ジュプル! ディン!」
「おお、ワニノコじゃないか!」ジュプルは懐かしむように言った。「久しぶり!」
ワニノコとジュプルは握手をした。ワニノコはディンのほうに体を向けた。
「久しぶり、ディン。最近はチームに参加できなくてごめん」
「相変わらずの口調だな、ゲイト。別に気にしてなどいない」
「その名前で呼ぶなよ。俺にも――」
ワニノコが何かを言おうとしたがレオンが静止し、言った。
「お前達、こんなところでなにをしてる? 宝探しをしてるんじゃなかったのか?」
ワニノコとチコリータは協力して、これまでの経緯を話して聞かせた。その話の途中でディンの要望で、街中での会話は避けチームレジェンディアの宿泊先で話しの続きをした。
全部聞き終わるとディンが言った。
「どうやらゲイトよ。お前はまた厄介ごとに巻き込まれたようだな」
「どういうことだ?」
「スコーピオンはこの島にいる伝説の不死鳥を手に入れようとしているのだ。そして、この世界を滅ぼそうとしている」
「なんだって!」
「お前達がこの島の宝をレオンから探していると聞いた時いやな予感がしたのだ。宝を探すというのは不死鳥に近づくことでもあるのだから」
「どういうことですか?」チコリータが訊いた。
「宝と不死鳥が関係しているのは知っているかね?」
チコリータはうなずいた。
「宝を管理しているのは不死鳥なのだ。その不死鳥は現在も存在している。つまり宝のありかがわかればそれは不死鳥の所在もわかるということなのだよ。そうなれば不死鳥を手に入れることもできるのだ。
彼らも宝を探す手順で不死鳥を探しているのだ。そして、それにお前達は遭遇してしまったというわけだ」
「あいつらそんなことをしていたんだ」ヒノアラシはつぶやいた。「だからあの遺跡の前でうろついてたんだ」
「だったら奴らを倒すしかないな」とワニノコは言った。「世界を滅ぼされてたまるか!」
「お前達はとっととセントタウンに帰ったほうがいい」とレオンは言った。「スコーピオンのボーマに負けたお前達にスコーピオンを倒すことなどできない。足手まといになるだけだ」
「なんだと!」
「まあまあ、そういうなレオン」と、ディンは間に入った。「ここは彼らに一つ頼んでみてはどうか?」
「頼むですと? スコーピオンを倒すのをですか?」レオンは驚き聞き返した。
「そうじゃ。ワニノコもやる気になっているし、ほかの二人もどうやらやる気のようだ。ちょうどいいではないか。それほど強い敵ならたくさんいたほうが心強いわけだしな」
「ディン様がそうおっしゃられるなら……」
「決まりじゃな」ディンはそういうとワニノコたちに近づいた。「そういうわけだ。どうか頼まれてくれるか?」
「俺はやりますよ」とワニノコは言った。「絶対にスコーピオンを倒してやる!」
「僕もワニノコがやるなら……」とヒノアラシは言った。
「私もやるわ」
「よし、どうか頼んだぞ。ジュプルとオオスもそれでいいな?」
二人は同意を示した。
「ならばこれからお前たちに作戦内容を話そう」ディンは少し間を空けてから続けた。「我らはスコーピオンが今度向かう場所を二箇所特定している。一箇所はフェニックス砂漠にある『竜巻ができている場所』だ。もう一箇所はスコーピオン砂漠の例の遺跡だ。ゲイトたちが行った場所のことだよ。そこに再度現れるという情報を仕入れている。
このことから我らは二箇所に分散しなければならない。それについて私たちが出したチームはレオンとオオス、ジュプルと私だった。ここでゲイトたち三人を入れることになる」
「どっちに入ればいいの?」ヒノアラシが訊いた。
「我らはヒノアラシとチコリータについて知っているものはゲイトとレオンだけだ。だから、知っているもの同士で行ったほうがよかろうと私は思っている」
「ということは」とレオンは言った。「私とその三人。ディン様、オオス、ジュプルの編成にするということですか?」
「そうだ。それが最善でないと思うならば変えるがレオンの意見はどうだ?」
「それではディン様のチームの戦力が減ってしまいます。もっとバランスよくやるべきなのではないでしょうか?」
「それについて心配には及ばぬ。私はレオンとゲイトが組み合わさった実力を持っていると思っているつもりだ」
その返答にレオンは少しばかり驚いたが表情には出さなかった。少し間を空けてレオンは言った。
「わかりました。そのチームで行くことにしましょう」
「うむ。それに依存はないな?」
みなそれには同意を表した。
「次は行く場所だ」とディンは続けた。「レオンチームはフェニックス砂漠。私のチームはスコーピオン砂漠がいいと思っている。スコーピオン砂漠に行ったことのあるゲイトたちは有利かと思われるが実際は逆で、敵にその姿をよく知られているため危険が高い。スコーピオンも見張りをつけていることだろう。それにより先に言った場所がいいと私は思う」
「その考えは確かでしょう。私はその考えに強く賛成します」とオオスは言った。
「だろうな。反論する理由はなかろう」とレオンは言った。
それに対してワニノコたちも同意し結果的に、レオンとワニノコ、ヒノアラシ、チコリータのチームはフェニックス砂漠へ。ディンとオオス、ジュプルのチームはスコーピオン砂漠に行くこととなった。
「そうとなればさっさといこうぜ」とワニノコは提案をした。すると、レオンが反論した。
「いや、今日はここで休むことになっている。奴らが今日来ることはないのはわかっているんだ」
「それも仕入れた情報によるがな」とディンは言った。「とりあえず今日はどこにも行かん。ゆっくりと体を休め明日に備えるがよい」
第八話終了第九話に続く……
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