当サイトについて小説掲示板リンク

プロローグ

 ポケモントレーナー。今から三百年以上前の時存在していた人間という生き物がポケモンを捕まえ育て戦わせるものだった。

 しかし、モンスター暦四二〇〇年のこと。ある人間がポケモンにされてしまった。そのポケモンにされてしまった人間は人間を恨み、戦争を起こした。

 結果はポケモン軍の勝利となり、人間達はどこかに消えてしまったという。後にこの戦争を人ポケ戦争と呼ぶようになり現代に伝わっている。

 現代はポケモンしか住んでいない。彼らは昔の人間のようにポケモンを捕まえ育てバトルしたりしている。

 ポケモンがポケモントレーナーになりポケモンに指示を出す。これはそんな不思議な物語である。


 カンジョウ大陸に存在している小さな田舎町であるセントタウン。

 この地には名産という名産もない町であるが、有名な人物が二人住んでいた。

 一人の男の名はオーダイルのオーダ。シルフシティという町にあるシルフコーポレーションの元社長である。

 この男は二年前にホウオウを捕まえ、シルフコーポレーションの名を全国に伝え世界を征服しようとしていた。しかし、息子にそれを阻まれ、シルフコーポレーションにいることができなくなった。

 今、オーダがどうなっているかは誰も知らない。

 そして、もう一人はオーダの息子であるワニノコである。この男は現在も町に住んでいる。

 この男は、父であるオーダの野望を食い止めた。そして、バトルの世界大会にも出場した実力派のポケモントレーナーなのだ。世界大会でこそ優勝はできなかったが、その名は全国に知れ渡った。


 ワニノコは今年から中学生になることになった。小学校の六年を終えたのだ。そんな中学生になるための準備期間である休みの時に、海の近くにある彼の家に兄であるアリゲイツのリゲイがやってきた。

 リゲイは、すでにカメールのメールと結婚をしており、今回は子供が生まれたことを伝えにきたのだという。

「おめでとう! 兄貴!」

 それを聞いた弟はそう言った。

「サンキュー。これでおれたちの子供ができたってことだ。お前にとっては甥だな」

「うん。今度、その子を見せに来てくれよな」

「ああ、落ち着いたらつれてきてやるよ。リッパなゼニガメだぜ」

「名前はなんていうんだ?」

「それがまだつけてないんだよ。いろいろ決まらなくてな。とりあえず候補はあるんだけどな」

「ふーんそうなのか。じゃあ、それも来たときに教えてくれな」

「わかった。ところで、お前も中学生だな。中学生の準備期間は無駄に長いがどこかに行く予定とかはあるのか?」

「いや、特にないぜ。一昨年や去年みたいに旅に出る予定はないし」

「そうか。だったら今年は平和だな。一昨年は父さんと戦う破目になるし、去年は戦争時代にタイムスリップさせられるしだったからな。今年はゆっくり休めよ」

「うん」

「おっと、もうこんな時間か。お前と話していると時間が早く進むな」

「そうだな。もう帰るの? 母さんはまだ帰ってきていないけど」

「ああ、いろいろおれも忙しいからな。母さんにはよろしく言っておいてくれ」

「わかった。メールさんによろしくね」

「了解。ゆっくり休めよ、ワゲイ」

 リゲルはそういって家を出て行った。

 そして、ワニノコは父オーダのことを思い出した。

 去年の夏休みに戦争時代にタイムスリップしたワニノコだったが、そのタイムスリップ時代でオーダと出会った。ワニノコたちは今現にこうしてもとの時代に戻ってきてはいるが、父オーダが戻ってきているかはわからない。

 それどころか、元の時代に戻る装置があるタイムスペース島に行けたかもわからないのだ。そんな今、どこでなにをしているかわからない父オーダの安否が気になるのだ。

 だが、それをどう考えたところでワニノコにはどうした手立てもない。もう、タイムスリップすることはできないから、戦争時代に戻り父を探すことなどできないのだ。


 それから数日後のこと。

 ワニノコがいつものように友達であるヒノアラシの家に行ったときのことだった。ワニノコとヒノアラシは大親友でお互いをほとんど知り尽くしている仲だ。

 ヒノアラシの家は、セントタウンのはずれにある小さな洞窟の中に作った家である。洞窟内はなぜか室温が高いため、ヒノアラシや家族にとって住み心地がいい場所なのだ。

「あ、ワニノコ。いいところに来たね。ちょっと来て。これ見てよ」

 ヒノアラシは読んでいた本を入ってきたワニノコに渡した。そして、ワニノコはそれを読み始めた。

「何々『はるか昔にある海賊達は秘宝を手に入れた。海賊達はトレンドアイランドを中心として、数々の財宝を手に入れた。しかし、その海賊達にもついにピリオドが打たれた。
 巨大な台風が来ているときに彼らは航海を続けていた。巨大な台風は巨大な波を作り出した。海賊達はそれらをうまくかわし、近くの島に行き台風が収まるのをまとうとした。しかし、その島に向かおうとしていたときに巨大な波につかまり、海賊達は海に落ち、その後、その海賊達がどうなったか知っている者はいない
 だが、海賊達が所持している秘宝は無事だった。彼らは秘宝をトレンドアイランドに隠しながら航海を続けていたためである。その秘宝は今でも見つかっていないが、トレンドアイランドにはトレージャーハンターがたくさんいるという』」

「面白いでしょ。この本が出版したのは今から少し前だけど、今でも秘宝は見つかっていないんだってさ」

 ワニノコは本をヒノアラシに返しながらこう言った。

「秘宝かぁ。それを手に入れたら大金持ちになるんだろうなぁ」

「やっぱりそう思うよね。ねぇ、ワニノコ。僕たちもトレンドアイランドに行ってみない?」

 ヒノアラシの口からとんでもない言葉が放たれた。いや、少なくともワニノコには衝撃の言葉だった。

 ヒノアラシは疲れることが嫌いである。だから、旅に出ることも嫌いなのだが、その嫌いなことに対して自らが行こうというのだから驚くのも無理はない。

「い、いいけど、本当にヒノアラシも行くのか?」

「うん、僕も行くよ。許可のほうはまだ三年たってないから大丈夫だろうしさ」

 小中学生が旅にでるのには許可がいるのだ。その許可は、三年前――正確に言えば二年半前だが――に許可をすでに取っているため今度の旅に許可を取る必要はないのだ。

「わかった。じゃあ行こう。いつ行く?」

「できれば早めに。早めに行ったほうが何かと有利だからね。秘宝探しには相当の時間を要すから」

「了解。じゃあ、母さんに言ってみるよ。ヒノアラシのほうは言ってあるのか?」

「うん。お母さんがいいって言ってくれたし。ね? お母さん?」

 ヒノアラシは少し遠くにいたバクフーンの母にそういった。すると、バクフーンは軽くうなずいた。

「よし、じゃあ早速家に帰るよ。準備ができたらもう一度来るよ」

 ワニノコはそういって家に帰っていった。すると、バクフーンがこういった。

「いい友達を持ったわね、ヒラシ」

 その日からワニノコは旅にでる準備を始めた。リゲイにゆっくりと休むように言われていたが、いざ旅に誘われると旅に行きたいという好奇心が沸いてくる。

 ワニノコは準備のあいまを縫って、チコリータの家へと向かった。もちろん、チコリータもこの旅に参加させるつもりなのだ。

 チコリータは、ワニノコとヒノアラシの友達であり親友だ。ワニノコとヒノアラシとチコリータは一グループで仲が良い。

 彼女は、対照的な性格の二人の中間に入り、二人をまとめている。

 チコリータの家もセントタウンのはずれにある草原に家を構えている。ヒノアラシとは逆の方角だ。

「あら? ワニノコ。どうしたの?」

 チコリータの家に訪れたワニノコはそういわれた。それもそのはずだ。チコリータの家にはめったにワニノコは行かないのだ。

 ワニノコは、ヒノアラシと話していたときのことを簡単に話し、一緒に旅に出ないかと誘った。すると、チコリータは意外と興味を持ち、旅に行くことを決めそのことをワニノコに言った。

「よし、決まりな。このことはヒノアラシに俺から言っておくよ。準備ができたら俺の家に来てくれ。そしたら、ヒノアラシの家に行くからさ」

「わかったわ。パパもいいよね?」

 玄関に来ていた、メガニウムの父にチコリータは聞いた。すると、「いいよ」といった。

「じゃあ、俺も準備があるから家に帰るぜ」

「ええ。じゃね、ワニノコ」

 ワニノコは自分の家へと戻っていった。すると、チコリータは言った。

「彼らが行くなら私も行かなきゃね」

「ああ。行って彼らの助けをしてあげなさい、チリー」


 次の日。ワニノコの家にチコリータが来た。旅の準備が整ったという。ワニノコは少し驚きはしたが、ワニノコ自身も準備ができていたのでヒノアラシの家へと向かった。

「チコリータも行くの?」

「ええ。何か問題でもあるの?」

「いや、問題はないけど、まさかチコリータが興味を持つとは思っていなかったから。ほら、チコリータは秘宝とかそう言うのには興味がないからさ」

「そうだけど、なにか面白そうじゃないの。それより、ヒノアラシの準備は出来ているの?」

「うん、出来てるよ」

「よし、じゃあ行こう!」

 こうして、ワニノコ、ヒノアラシ、チコリータは、列車に乗りシルフシティへと向かった。そして、そこから新しくできた町であるニューシルフシティを経由して、港町であるポートタウンへと向かった。

 そして、ポートタウンからフェリーでトレンドアイランドへと向かうのだった。

 一体、トレンドアイランドではなにが彼らを待っているのだろうか?

 ワニノコ達の新しい旅はここから始まったのだった。

 プロローグ終了第一話に続く……

コメントを送る

 この小説に関するコメントがあればどうぞ。