ポケモンコンテストとは非常なもので、前回一次審査を突破できたものと同じ演技をすると、評価が下がり二次審査に進出することができなくなることがよくあるのだ。なぜならば、審査員一名を除いた二人は以前に同じ演技を見ているからということと、ほとんどの人たちは新しい演技をみせているためだからと言われているが、実際審査員の人たちが言ったわけではないから、実際のところどうだかはわからない。
しかし、ルリカの第三回ポケモンコンテストはまさしくその結果に終わり、一次審査落ちを喫した。
次回のコンテストはシダケタウンで行われることを知ったルリカは、今度こそ優勝すると意気込みながらフエンタウンからシダケタウンへと向かっていた。
フエンタウンからシダケタウンへいく途中にある、キンセツシティまではそんなに長い距離ではない。カナズミシティからハジツゲタウンまでの道のりのほうが、はるかに長いのだが、ルリカは昼にフエンタウンを出発したのに、夜までにキンセツシティに到着しないのはいくらか遅すぎた。
そんなときだった。彼女の目に一筋の光が入った。キンセツシティの光だと予想し、その光のところへ向かったが、予想と違うことがすぐにわかった。その光はそこにあった一軒の家の明かりであったのだ。
「あとキンセツシティまでどれくらいなのか、きいてみようかな」
家のチャイムを鳴らした。すると、出てきたのはこの家の主だろうか、中年ほどの男が出てきた。
「あの――」
ルリカはどれくらいかを訊こうとしたが、それはすぐに中年の男にさえぎられた。
「お前さん、ポケモントレーナーだな? 勝負だ!」
中年の男は突如としてバトルを仕掛けてきた。男はスバメを召喚したので、ルリカはもう逃げれないと考え、アーティーを召喚した。
「アーティー、ぎんいろのかぜ!」
「スバメ、でんこうせっか!」
ぎんいろのかぜはスバメにすばやくかわされ、アーティーはでんこうせっかによるダメージを受けた。アーティーは踏ん張り、持ちこたえた。
「今度はかぜおこしよ!」
かぜおこしはスバメにヒットした。だが、スバメもすぐにつばさでうつで反撃を仕掛けた。
「アーティー、もう一度かぜおこし!」
「スバメ、でんこうせっかでかわして攻撃だ!」
スバメはぎんいろのかぜを回避したときのように、でんこうせっかでかぜおこしをかわした。だが、でんこうせっかで攻撃をしようとしたときに、アーティーはかぜおこしを起こした場所にはいなかった。
「かぜおこし!」
ルリカのその指示を受け、スバメの上空にいるアーティーはかぜおこしを上から下へとおこし、スバメを地上にたたきつけた。その下降する威力もあってか、スバメは戦闘不能となった。
それを見計らい、ルリカは中年の男に近づき、事情を説明しにかかろうとしたが、男はジグザグマを出してきてバトルが再開してしまった。
「ジグザグマ、なきごえ!」
アーティーのこうげき力が下がった。これで、かぜおこしもぎんいろのかぜも与えられるダメージが減ってしまった。だが、アーティーが使えるわざには限りがある。まだ、レベルの低いアーティーにはなおさら。
「アーティー、かぜおこし!」
「ジグザグマ、もう一度なきごえ!」
またしてもこうげき力が下がった。二段階のこうげき力ダウンのかぜおこしをジグザグマは受けたが、ほとんどダメージを受けていないように思われた。
「今度はぎんいろのかぜ!」
ぎんいろのかぜも同じだ。威力は半減され、あまりダメージが与えられない。さらにジグザグマはまたなきごえをしてきて、アーティーのこうげき力をどんどんと下げていっている。それでも、アーティーは攻撃を続けた。
威力が下がれど、ダメージが与えられていないわけではない。なぜか、攻撃に徹してこないジグザグマはどんどんとダメージを受けていき、戦闘不能に近い状態になっていたが、倒れる様子はなかった。
「ジグザグマ、ずつき!」
ついにジグザグマは攻撃を仕掛けてきた。と、思ったもののアゲハントの高さまで届かずそれは失敗に終わってしまった。そして、それが続いたまま、ジグザグマは戦闘不能となった。
ルリカはすかさず男に話かけようとしたが、男は家の中に入ってしまい訊きそびれてしまった。
「もう、なんなのよ」むっとしたルリカはつぶやくようにいった。
すると、今度は中年の女が出てきた。そして、その女もポケモンを出してきて、突如とバトルが始まってしまった。
「ロゼリア、どくばり!」
不意に放たれたどくばりはアーティーに見事にあたってしまった。
「もう、なんなのよ! アーティー、ぎんいろのかぜ!」
アーティーは反撃のぎんいろのかぜを使ったものの、なんと運の悪いことにどくばりによってどく状態になってしまっていた。ロゼリアにダメージは与えられたが、自分もまたダメージを受ける。
逆に相手のロゼリアは、ギガドレインを使い回復をしながら戦っている。確実に長期戦となるならアーティーの不利である。
「今度はかぜおこしよ、アーティー!」
吹き飛ばされ、ダメージを受けたロゼリア。こうかはばつぐんなため、大きなダメージを負ったが、ロゼリアは立ちあがった。
「どくばりよ!」
「かぜおこしで吹き飛ばして!」
どくばりはかぜおこしで綺麗に吹き飛ばされてしまった。しかし、そのときだった。アーティーは突如として地上におちて、戦闘不能になったのは。
「どくが回ってたのね……」ルリカはつぶやきながら、アーティーを戻した。「お疲れ様、アーティー」
「わたしたちの勝ちだね」と中年の女はうれしそうにいった。「出直してきな! わたしたちに勝とうなんて百年早いよ」
「別にあなたに勝とうなんて思ってもいませんでした」怒った口調で言った。「私はただ、キンセツシティまでどれくらいか聞きたかっただけです」
「あらまあ、じゃあ、カチヌキファミリーへの挑戦者じゃなかったの。それはごめんなさい」女は悪びれた様子もなさそうな口調で言った。「キンセツシティでしたら、もうすぐそこよ。三十分ぐらいでつくわよ」
ルリカはそれをきくと、礼をいってその家を後にしたが、後ろから呼び止められた。
「話したいことがあるんだ」
最初に戦った男――ハルヒコは、話をきかずにバトルを始めたことをあやった。
「なんせ、訪ねてくるもの皆とバトルしてるからな。間違えちまったんだ」ハルヒコは言い訳をした。
「いえ、大丈夫です。こちらも勉強になりましたし」
「ところでお前さん、フエンのポケモンコンテストに出てただろ?」
「ええ、一次審査でおちましたけど」
「わかっとるよ。お前さんのポケモンの育て方はまだあまいようだよ。もう少し育て方を勉強するといい。キンセツからシダケに行く途中に育て屋っていうところがあるから、そこで教えてもらうといいと思う」
「わかりました。ぜひ、訪ねてみます」
「がんばれよ。おれたちはバトル専門だからコンテストについてはわからないが、ポケモンを育てるのは一緒だからな。もしよかったら、今度リベンジにきるといい」
ルリカは来ると約束をし、キンセツシティへと向かった。
育て屋……そこで彼女はいったい、何を知るのか少しワクワクしていた。
第八話終了第九話に続く……
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