大都市カナズミシティへとやってきたルリカは今まできた町の中でも一番大きいところだと思った。見渡す限り高いビルが並び車の通りも激しい。人々が混雑しながらも歩いている。
ルリカは人ごみの中をできるだけ避けて歩くようにした。人ごみの中歩くのは大変だし、すりとかに会ってしまったら大変なことだ。人ごみを避けて歩くということは無論裏道になるのだが、裏道といえど表通りほどではないが人はたくさん歩いていた。
「大変だ! 早く行かないと遅刻するぜ!」
そろそろポケモンセンターも近いという場所まで来ると、ルリカの横を二人の小さな男の子達がカバンを持って急いで走って行った。その二人の言葉を聞いてルリカはこの町にトレーナーズスクールがあることを思い出した。
トレーナーズスクールはポケモントレーナーになるための基礎などを育成する名門学校である。ルリカも子供の頃は行きたいといって親を困らせたものだ。コーディネーターもポケモントレーナーのようなものである。ルリカはどんなところなのか見てみたいと思い、トレーナーズスクールを見学することにした。
トレーナーズスクールは名門学校ということだけあって立派な建物だった。外見はとても綺麗で新築の建物を連想させる――新築ではないのだが――。校門前には受付小屋があった。
「すいません」と、ルリカは受付にいる女性に言った。「トレーナーズスクールを見学したいのですが」
「では、身分証明書をお出しください」
ルリカは言われたとおりに身分証明書を提示した。すると今度は、用紙を出されそこに細々としたアンケートを答えた。
書き終えると受付の女性は紐がついているカードを渡してきた。
「これは見学者であることを示すものです。これがないと不法侵入者したと思われますのでお気をつけください」
ルリカはそれを首にかけトレーナーズスクールの見学を始めた。
トレーナーズスクールの中は外見のすばらしさをちゃんと保っていた。綺麗な廊下に綺麗な壁。廊下は広い。こんな学校で勉強できたらどれだけすばらしいものだろうか。
各教室ではさまざまな授業が行われいた。ポケモンバトルの知識だったり、ポケモンについてだったり、ポケモンバトル実践などなど。もちろん、通常の国語や算数等の授業もしている教室はあった。
ルリカが一番興味を持った授業はポケモンバトル実践の授業だった。ポケモンバトル実践は教室ではなくバトル専用の大部屋があり、そこで行っていた。コンテストでも二次審査でバトルがあるし、ポケモンたちの技量を上げるにはバトルする必要がある。
一時間、そこで授業が終わるまで見学を続けた。別の授業を見学するためルリカがその場を去ると話しかけられたので振り向くと、そこには授業をしていた女性教師が立っていた。
「なんでしょうか?」ルリカは訊いた。
「君は入学希望の子?」
「いえ、私はトレーナーズスクールはどんなところなのか見学をしているだけでして」
「そう。熱心に見てたから入学希望なのかと思って。バトルは好きなの?」
「バトルが好き――というか、私はポケモンコンテストに参加してるんですけど、コンテストでもポケモンバトルはあるから何かいい手がかりが手に入ると思ったので」
「へえ! あなたコーディネーターなんだ。じゃあ、トレーナーズスクールの特別教室に行くといいわ。確か次の時間にコンテストの授業があると思うから――いや、私と一緒に行きましょうか?」
「でも、授業があるんじゃないですか?」
女性教師は首を振った。
「次の授業は休みなのよ」
「では、ぜひお願いします。ポケモンバトルの先生が側についてくださってたら心強いです」
「あなた、名前はなんていうの?」
「ルリカといいます」
「ルリカちゃんね。わたしはツツジっていうんだ、よろしく」
ルリカとツツジは特別教室へと向かった。バトル専用大部屋から多少の距離があったため、その間にチャイムが鳴り授業が始まったようだ。特別教室に到着するとすでに授業が始まっていた。
特別教室というので何かすごい設備が整っているのかとルリカは思ってたが、その期待は少しはずれた。特別教室にあったのは普通の教室の机等と木の実と木の実ブレンダーが各机にあるだけだった。
「コンテストだとポケモンのコンディションが大切でしょ? だから、コンディションを高める時に使うポロックの作り方を学習するのよ」
授業でやっていたのはクリミさんが教えてくれていたこととおんなじだった。ポロックを作るための基礎知識は皆同じなのだ。作り方の説明が終わると、実践に入り各自ポロックを作り、先生が連れてきていたポケモンたちに食べさせるという授業であった。
そのまま授業が終わり、ルリカの見学はあっさりと終わってしまった。
授業が終わり、ツツジからお勧めの授業があるかという話しをしていると、一人のメガネをかけた男――おそらく教師――がやってきた。
「ツツジさん、ジムのほうに挑戦者が来ましたよ」男がそう言った。
それを聞いたルリカは驚いた。ジムに挑戦者が来た――という言葉の裏には、ツツジがジムリーダーであるという意味を含んでいることをルリカはちゃんと読み取ったのだ。
「ツツジさんってジムリーダーだったんですか?」
ツツジが男に何かを言って男をどこかに行かせるとルリカは訊いた。
「そうよ。ここの先生もしながらジムリーダーもやってるの」
「そうだったんですか。まったく知りませんでした」
「ルリカちゃんはコーディネーターだからね。コーディネーターにとってジムはあんまり必要にならないから。それじゃ、わたしは行かないといけないから」
「はい、今日はありがとうございました」
「いえいえ。あ、そうだ。今度、ハジツゲタウンでコンテストが開かれることは知ってる?」
ルリカはその問いに首を振った。ハジツゲタウンでコンテストが開かれることなど知らなかった。
「あらそう。知っているかと思ってた。コンテストの終わりに必ず次のコンテスト開催地が知らされるんだけど聞き逃しちゃったのね。今度、ハジツゲタウンで開かれるのよ。ぜひ、参加してみるといいわ」
「そうだったんですか。わかりました。ハジツゲタウンに行ってみることにします」
「がんばってね。それじゃあね」
ツツジはその場を去って行った。ルリカはそのまま見学を続け、見学が終わるとポケモンセンターで体を休めた。
――次のコンテストはハジツゲタウンか。がんばろう。今度こそ優勝するんだ!
ルリカは意気込みながらその日の床についた。
第四話終了第五話に続く……
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