当サイトについて小説掲示板リンク

最後の挨拶

旧人間王を倒したワニノコたち。ユンたちの死を知り、悲しむのであった


ワニノコたちは、フロット城にザードたちやユンたち。そして、フーデを城に残し、オーダが用意したままだった、ヘリに乗り込んだ

「よし。じゃあ、タイムスペース島に行こう。レオン」

「ああ……」

「レオン?」

「なんだ?」

「悲しいのか?」

「悲しい? 何のことだ?」

「ユンたちのことだ」

「……。ああ。確かに悲しいさ。最初は敵だと思っていたものだが、一緒に戦った仲間になったものが、死んでしまったのだからな」

「……」

「お前はあまり悲しみというものを知らないだろう。父も生きているんだからな」

「俺だって悲しみぐらい知ってるさ。今だけどな……」

「今後はもっとつらい悲しみが来るだろう。そう、身内の死。愛すべきものの死などな……」

「レオン。もしかして、お前は……」

「そうだ。オレは両親をなくした。お前達とあのとき別れた後の一年間にな。そして……」

「そして?」

「オレの好きだった人も死んでしまった。オレはその人をまもりきれなかったんだ」

「好きだった人を……」

「ああ。その人を守りきれなかったのはオレの不注意だった」

「レオン。詳しく聞いていいか?」

「……」

「いや、やめておくか。お互いつらくなるもんな。さあ、早くタイムスペース島に行こう」

「いや、話してやろう。オレの変化もわかるだろう」

「変化?」

「ああ。オレがオレになった意味さ。――オレはお前達と別れた後、いったん実家に帰った。そう、両親が待つ家にな。そんな時、オレのいた街にある暴力団がやってきた。その暴力団により、街は破壊されてしまった。オレも含め街の人全員が戦ったにもかかわらず……。そして、それで両親を失ってしまった。そんな中。オレは彼女と出会った。オレの実家の近くに住んでいる子でな。彼女はワタッコのソウワっていう名前だ。彼女は断固、街から逃げようとしなかった。街を守りたかったのかもしれない。オレは彼女だけを残して街を出て行くことなどできなかった。そこで、オレも街に残り、暴力団と戦いながら彼女を守った。だが、オレの体力も限界に達してしまった。それでも、オレは戦った。彼女が街に残る限りオレは戦い続けようと思ったからだ。そんな時、ついに来てしまった。オレは暴力団と戦っているうちに力尽きてしまった。オレは暴力団に殺されかけた。その時。彼女がオレを守ったのだ。オレが殺されかけたのを彼女が守ってくれたんだ。それにより、彼女は殺されてしまった。オレがふがいないばかりに彼女を殺してしまったんだ……」

「……。それから、そのソウワはどうなったんだ?」

「オレは最後の力を振り絞り、彼女をつれ街を後にした。街を後にしたあともともと力尽きていたオレは倒れ、意識がなくなった。それから、意識が戻ったときには隣町の病院にいた。意識が戻り、病院の人に聞いたらソウワは病院の近くにある墓に埋められたそうだ。オレは悲しみにくれた……。彼女を助けると決めたはずなのにオレが守られるなんてなさけなさと、彼女を失ったという悲しみに……。オレは、後々、病院に連れてきてくれた人がディンという名の人物だということを聞いた。ディンとはお前も知ってる通り、チームレジェンディアのリーダーである、ディン様だ。オレはディン様に仕えるため、チームレジェンディアに入った。そして、力をつけようと決心したんだ。大切な人をまもるための力を。それに伴って、オレは性格を変えた。前のような話し方では、あまく見られてしまう。そう思ったからだ。そして、今のオレがあるんだ……」

ワニノコはそれを聞き、言葉にすることができなかった。レオンが受けた悲しみ。そして、悲しい過去

レオンがワニノコと会わなかった間の時期にそんなことがあったという驚きもあった

「そうか……。つらいことを言わしてすまなかったな……」

「いや、大丈夫さ。――さあ、早くタイムスペース島に行こう」

「ああ」

レオンの過去を知ったワニノコ。そのレオンの気持ちを察しながらもタイムスペース島に向かった

その途中。ワニノコはレオンに言った

「なあ、レオン。もうこの世界にいるのも最後だ。最後にラチさんたちに挨拶でもしていかないか?」

「いいだろう」

レオンはそれを聞き、進路を変更し、海峡の近くにあった小屋に向かった

小屋に着くと、小屋の中に入った。すると、そこにはラチとエネがいた

「こんにちは」

ワニノコがそういった

「あ! ワニノコさんとレオンさんだ!」

「お久しぶりです。お二人とも」

「お久しぶりです」

「どうですか? ヘリの件に関しては」

「ヘリはやっと手に入れることができました。これから、タイムスペース島に行き、元の時代に戻ります。その前にご挨拶を」

レオンがそう説明した

「そうですか。ついにもとの時代に」

「はい。いろいろとお世話になりました」

「いえ。私はなにもしていませんよ。お二人のがんばりの結果です」

「それじゃあ、ラチさん。エネちゃん。お元気で」

「うん。ワニノコさんもレオンさんも元気でね」

「ああ。それじゃあ」

「ちょっと、待ってください」

ワニノコとレオンが挨拶を済ませ、小屋を後にしようとしたのをラチが止めた

「あの聞きたいことがあるんですが、以前お話した”最大の武器”というのはなんだったんでしょう?」

「ああ。それは最大の武器ではなく最大のポケモンの違いでした」

「どういうことですか?」

「武器ではなくポケモンだったってことですよ。ラチさん。それじゃあ、私たちはこれで失礼させていただきます」

レオンがそう言うとワニノコとレオンは小屋を出て行った

そして、ヘリを動かしタイムスペース島に向かうのであった

「武器じゃなくてもポケモンだった……か。あの書物は書き間違えだったということか」

「どうしたのパパ?」

「なんでもないよ、エネ。じゃあ、今日は家に帰ろうか」

「うん!」

ラチ親子に挨拶をした二人。最後の挨拶を終え、タイムスペース島に向かうのだった

第二十九話終了第三十話に続く・・・


☆あとがき☆

レオンの過去があきらかになりました。これで、レオンの性格の違いがわかりましたね。次回はいよいよ最終回! 果たして無事にもとの時代に戻れるのでしょうか?

コメントを送る

 この小説に関するコメントがあればどうぞ。